相川コータロー作品集

手を振った、糸が切れた

作:相川コータロー


たった一言のやり取りを毎日繰り返していたの。どうしようもないけど、次の言葉を言って良いか分からないから黙っちゃうの。そんなんじゃダメって分かってるけど、踏み出す勇気が無いから殻に閉じこもるの。

「おはよう」って一言で始まり終わる毎日に嫌気が差しちゃって。一言も送ることが無くなって、関係が軽薄になってしまった。けど、まだあなたのことが好きだから、連絡先を残してるの。

もう戻らない。あの日の思い出を抱えて歩くしかないから。心細いけど、それが私の選んだ道だから。それでも後悔だけが残ってるの。このままで良いのかな。