相川コータロー作品集

死屍累々:死屍を朱い眼で嘲嗤う

作:相川コータロー

クズ野郎共は救いを求めているけど、蜘蛛の糸を自らの手で千切ってしまうお話。


「人生なんてクソ喰らえ」って言いまくる我等に残されたのは茨という迷いの道だ。
あの時に言えば良かったことはなんだって問うことさえ止めなければ良かった。
それが出来れば良かった。

「ふざけんなこの野郎」って言いまくる我等に残されたのは孤独という嘘の姿だ。
あの瞬間に必要なことはなんだって考えることさえ止めなければ良かった。
それが出来れば良かった。

「死んじゃえば?」って言いまくる我等に残されたのは群れをなして人を殺すことだ。
あの場所に相応しいことはなんだって思うことさえ止めなければ良かった。
それが出来れば良かった。

我等の後悔は誰にも届かないって今頃になって気付いたんだ。
馬鹿野郎が成り損ないになってしまった今に救いなんてないんだ。
そんな中でも生きる我等の叫び声を聞いてくれ誰か。

あぁ~手を伸ばしてくれる人が現れても払い除ける。
あぁ~背中を押してくれる人が現れても扱き下ろす。
あぁ~声援を送ってくれる人が現れても踏み付ける。

どいつもこいつも我等のことを理解しようなんて思ってないくせに。
「邪魔だからどっか行け」って声高に叫んでも邪魔を辞めない反逆者達を殺す。

この場所に残るは血の海と死屍をバラバラにして転がされた四肢。
そして、成り損ないから地獄の亡者になった獣だけ。

死屍の臓器が散らばり、食料の奪い合いが始まる。
「あぁ~死んじゃった」と死者に告げる獣の眼は嗤っていた。