相川コータロー作品集

屍骸喰者

作:相川コータロー

お腹を空かせた狼達が人間を襲う物語。


は、は、は、始まりだ がい跋扈ばっこ夢無し現実の地獄絵図
お前達が来るのを待っていたと言えば良いか

「俺達の獲物がやってきた」と思って宴の用意が進む
甘い汁の匂いをぎ付けてそっちに向かう
今日は極上の宴になるだろう 今までにないくらいのな
さぁ幕を開けよう がい共の殺戮さつりくを 永遠の夜にする為に

は、は、は、お前達が四面楚歌疑心暗鬼の罵倒けなし合い
高鳴る心音が獲物を欲す 鱈腹たらふく食べないと満足しない空腹感
強襲の時間がやってくる 俺達の宴は楽しんでくれるかい?

ははは、理不尽な過ちに土下座なんて無用 許されざる大罪
不合理こそが世の中の摂理 お前達はここで死ぬと決まった
抗うことはない屈服だ 痛みを感じながら死んでいくけがれた存在

あわれな人間が地をいずる 滑稽こっけいな姿が何とも笑いを誘う
死に際の言葉はむなしく消える さよならの一言さえも意味はない

等価無き賭けには乗らない 利益のない交渉は無視して喰らう
人間は此処で散り逝く結末 まだまだ終わらない祭と喝采かっさい

もっとほとばしる鮮血を求める心の伝導 動くからだの渇きを止めろ
うずく腕の内部走る血液が沸騰する 呼応する人間の声を求めて

死に損無いの人間風情 後悔懺悔なんて許されざる罪を救済しよう
ただの殺戮さつりく救済きゅうさいだ 惨め無残な姿を晒して詫びを伝えろ

涙のにじんだ皮膚が剥がされて 肉塊の生命 甘い肉汁に舌がうずく
さぁもっと此処に集まれ 今晩の餌はなんだ
人間か 動物か 何でも良いぞ たくさん喰らって血祭だ

このからだが求めるまま 自由に貪り喰らう俺達は喰者ぐしゃ
誰にも止められない俺達は今日も血を求めていずる

さぁさぁ宴は始まったばかりだ 始まりの合図はもう鳴ってるぞ
走れ喰われろあわれに死んで逝け人間共 俺達の胃袋はまだ満足して無いぞ

あっちもこっちも全て平らげて 屍骸しがい祭が開祭だ
響くき声が呼び起こす心音の渇き 憂うことなどない嘲笑ちょうしょう喰者
紛れなく俺達はこの世界の為らず者 だがそんなものは関係ない
ただ喰らい血が流れるのを見て高揚するだけだ

終わり無き殺戮さつりくはまだまだ続くぞ 俺達の時間はまだまだこれからだ
お前達の泣き叫ぶ声が宴の合図だ さぁ夜を大いに楽しもうじゃないか