相川コータロー作品集

最後の一撃よ

作:相川コータロー

これは、原因不明の病気に蝕まれた男が人生最期の日に書き残したメモである。


 死ぬ瞬間になってやっと気付いたことがある。
 俺は、人として生き抜いた気がしていない。

 何度人の道を外れたか分からない。
 それほどたくさんの悪さをしてきた。

 だからこそ分かることがある。
 人の道は茨であると。

 俺は10歳の時に両親から言われたことを心に秘めて生きてきた。
 「あなたは産まれて来るはずのなかった子なの」。

 その一言が俺を人では無くした。
 悪魔になった瞬間だろう。

 20歳になって俺は両親を殺した。
 そうすることで初めて俺は生を受けた気がしたんだ。

 まぁその時に俺も死ぬべきだったんだがな。
 長く生き過ぎた。

 話は変わるが、もしこのメモを読んでいる人が居るなら、伝えたいことがある。

 「自分を見失うな」。