相川コータロー作品集

Philosophia

作:相川コータロー


明日に向かって走り出す人々の群れを余所に 自分の殻の中の安堵に浸るばかりな廃人。
動いてる様で動かされてる 従順な犠牲者の足音と呻き声の 鳴り響く空っぽの空間。
どうすることも出来ないって諦めて 足を竦ませてるだけなら 誰にでも出来るんだって空虚。
個人の自由を身勝手に謳うだけの 理不尽な社会が僕らの思考を停止させてる 強固な秩序構成。

君が一歩踏み出す度に動き出す歯車は 身動きを取らせない足枷の様な呪縛と同じ 無価値のレッテル。
階段を踏み締める片足の軋む音が 鳴り止まぬ痛感の叫びを生む絶望 転落の代償の集積。
100mが近い様で遠く感じる疲れの貯蔵 それが停滞の始まりを告げる合図。
乗算される重圧と苦しみの板挟み 吐き切れない愚痴と言う名の苦痛と辛みが 身体を侵食していく。

何でこんなにも理不尽なのかと問い糺すだけ無駄だと思わなくちゃいけないんだ 思ったことを言っただけなのに。
悔しい思いが信号機の青が赤に変わる様に 沸々と煮え滾って溢れだす 感情の抑止が外れて走り出す。
どうしても言いたいこと 言わなくちゃ後悔すると分かっていても 言い出せない自分の弱み。
このままで良いなんて思えなくて苦しんで 泣き喚くだけで何も出来ずに立ち塞ぐ砦の様に。

現実直視からの逃亡で 知らない人の居る場所に立ち篭って安住するだけ。
幸福なんだと思っていた状態の虚無感が 心を押し潰すチカラだった。
信用を裏切られて 信頼が失われて 何もかもが離れて分かった伽藍の心。
財産なんて無くて泣き叫ぶことしか出来なくて 埋まらない埋立地を増設してさ。
自分の足りないものが増えていく悲しみが辛くて 耐えることしか出来なくて嘘を吐く。

目の前の事から逃げて足踏みしてるだけじゃ 幸せは掴めないと知ってる心。
全てを望んでいるのが自分の本当の望みで幸福なんだから犠牲にするものなんてない。
過去と言う名の幻想に 浸透した意識なんて紛い物の錯覚 現状安定の夢想に留まることの弱さが見える。
自分の心が本当に望んでる幸せの形を掴むことさえ出来れば どうということはないのにって思う度の諦め。

死ぬ気で生きて行かなきゃ死にたい時に死ねないから頑張らなくちゃいけないんだ。
自分の為に必死に生きなきゃって思わなきゃいけないんだ。
明日なんて無くても良いじゃないか 今を本気で生きていれば良いじゃないか。
君の得た幸福や喜びは何物にも代え難いものなんだ だから大事にするべきなんだ。

護り続けて行けばいいんだ 自分の幸福や喜びを心の底から楽しめばいいんだ。
その分の苦しみや辛さなんて 幸福や喜びの為の糧なんだ だから抱えるんだ。
全ては幸福と喜びの為にあるから 今に何があろうと抗い続けて 道を切り開け。