相川コータロー作品集

Love

作:相川コータロー


最期の一言さえも言えないなんて。
そんなのは嫌だって叫んでいたんだ。

合意なんてなかったターミナルケア。
身体が言うことを聞かないけど構わないって思っていた。
親は私のことを守ってくれた。何も出来ない私を支えてくれたんだ。

言えないのが悔しくて、悲しくて、心が張り裂けそうになって、
大空に大声で叫ぶことしか出来なかったんだ。

「いつもありがとう」
そんな一言さえも空しく消えて、強がりを気取っていた。

身体ひとつ動かせない癖に、意気がって親を貶した。
傷付けることに慣れていた。

傷付いて嫌なのは私の方で、親は見守ってくれていた。
知っていたんだ。余命が少ないことを。
だからずっと支えてくれたんだ。
愛を注ぎ続けてくれたんだ。