相川コータロー作品集

嫌われている

作:相川コータロー


キミの一言が心苦しくて、大空に叫んだ「生きてくれよ。」
簡単に言えてしまう諦めの言葉と敗北行動の積み重ね。
誰にも理解されない「死にたい」とか「さよなら」を。
僕だけでも分かってあげたくて一生懸命になった。

泣いてるキミの合言葉が「明日も会えると良いね。」
そんな言葉を聞きたい訳じゃないのに涙が止まらない。
張り裂けそうな心が隠してる「笑顔な姿を掴みたくて。」
僕は立ち上がってみることにしたんだ。

無理して生きてるキミの横顔が「どこか寂しげで。」
ふいに出た言葉がありふれたものでキミが笑ってくれた。
ずっと守りたいと思ったキミの初めての笑顔を見て。
思い出した僕のせいだって分かったんだ。
「キミが笑顔を忘れてしまったのは僕のせいだ。」

泣きじゃくる赤ん坊の様な僕を余所目に「笑ってるキミ。」
知りたくなかったけど突き付けられた本当の現実が痛みになって。
心が軋んで、裂けて、壊れて、知ったのは絶望の言葉「嫌われている。」

嘘が真だったことに涙が止まらなくて嘆いた大空の雨が刺さる。
泣けない人の分まで泣いてくれる空の心の広さが沁みて、枯れた僕の弱さが浮き彫りになる。
愛情も、友情も、幸せも、全て近くにあったことが嬉しくて。
涙が顔を伝って流れ落ちたんだ。

眼前に立ちはだかる強固な壁を叩いて、押し込んで、上って、挫折してゆく。
理屈で求めた最適解が意味をなさない堅牢な現実に打ちのめされて。
へし折れた心を抱えた弱過ぎる僕の気持ちが笑えてきてさ。
無力な僕のことなんてどうでもよくなってきたけど、諦めきれない。
矛盾を抱えた僕の心をキミはずっと支えてくれていたんだ。

晴れ渡る空が告げた有難い真実が包み込んだのは、「僕らの無上な命と心と感情と。」
身体が動かないけど無理矢理動かそうとした僕の姿をキミは見ていてくれて。
毎日願ってくれていたんだ「出来るよ」って。
正しいものを正しく信じたキミが、正しいことを間違い続けた僕を見て。
影ながら心配してくれていたんだ。

生きることに諦めかけていたキミが知らない場所で泣いて、喚いて、待っていた。
気付いてあげるのが遅過ぎたけど、間に合うとは思ってなかったけど。
ずっと待っててくれてたことにやるせない気持ちが込み上げて来て。
ぎゅっとキミのことを抱き締めて一緒に泣いていたんだ。