相川コータロー作品集

キミの隣に……いたかったんだ

作:相川コータロー


思い出振り返ると、君のことでいっぱいだった。
何もあげられなかったけど、それでも好きなんだ。

どうして伝えられないんだろう。
たった一言言えればそれで良い。

雨の日に傘を持ってない君に話しかける。
「傘貸してあげるよ。」

傘を受け取る君の手が、僕の手に触れたんだ。
とても温かくて、握りたいと思ったんだ。

恋ってこういうことを言うんだろう。
でも叶わないのが恋なんだって。

そんなことを思っていたんだ。

必ず夜は明けるよ。
だけどそれはまだ先の話。

届かない気持ちをそっとしまい込んで。
いつもの様に接することしか出来なくなっていた。

見守ること以外に出来ることがなかった。

君が泣いてる時だって、何もしてあげられない。
勇気がなくて踏み出せない一歩が悔しくて。

悲しいことが押し寄せてきた。
君が転校するって聞いた時は……。

寂しくなったんだ。

一人になったのは僕の方だった。
君が居ない世界に生きる意味はないんだ。

「キミの隣に……いたかったんだ。それだけなんだ……。」