僕は泣き死ぬ
作:相川コータロー
「お父さん、お母さん!!」 「可愛いわねぇ♪」 「そうだな。」 僕が死に際に見たものは、両親が死ぬ三分前のことだ。 いつも通り、両親に甘えていただけの僕。 そんな幸せな時間が、王の手によって終わりを迎えた。 虐殺だ。 この国の王は、全国民の家に監視カメラを仕掛けている。 何故そんなことをする理由は単純だ。 自分の悪口を言う人間全員をこの国から排除して、完全な独裁国家を作る為だ。 それに巻き込まれたのが、僕の両親だ。 僕の知る限り、両親は人の悪口を言う様な人達じゃない。 誰にでも優しく、世話好きだ。 それなのに、両親は殺された。 走馬灯が終わり、僕の魂がゆっくりと身体から抜けていく。 あぁ……僕はもう死ぬのか。 その時だ。目の前に着物を着た女性が現れて、僕に話しかけてきた。 「少年、もう一度戦ってみる気はあるか? もし、戦う気があるのなら、力を与えよう。」